建設業として担う大事な役割
胆振東部地震で被災された皆様に、心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復旧、復興をお祈りいたします。
少し間があいてしまいました。
こんにちは、人事担当の廣部です。気がつけばいつの間にか10月に入っていました。雪が降る前のこの季節、皆様もお忙しいことと思います。通常でも造園建設業はこの時期は1年の中でも繁忙期となりますが、今年は皆様ご存知の通り、台風21号、胆振東部地震と立て続けに大きな災害が発生してしまいました。造園建設業もインフラの維持を担う建設業として、災害復旧を最優先に仕事をこなしていました。今日は、今回の台風21号、胆振東部地震が発生した際の緊急対応についてお話したいと思います。
台風21号の襲来
西日本で猛威を振るった台風21号は強い勢力を維持しながら北上し、北海道には9月4日の夜から5日の早朝にかけて接近してきました。そして日付が5日に変わって早々に札幌市内にも被害が出だします。倒木です。これにより、南香園も倒木処理のため出動となりました。倒木は道路に倒れると車両の通行の妨げや二次災害の原因となったり、電線に掛かると停電の恐れも出てまいります。そのため、一刻も早い処理が必要になります。当然作業時も強風が吹いていますし、まだ真っ暗で、次から次へと倒木が発生しているため、この時点では、安全に最大限に気をつけて一時的に障害とならないような場所に移動させるのみとなります。そして、朝が来て明るくなって、だんだんと被害の状況が見えてきました。南香園は中央区と西区のそれぞれ一部の街路樹と公園の管理を札幌市から受託しているため、まずは担当区域のパトロールを行い、被害の全容を確認していきます。その間も、すでに判明している倒木の処理を行っていきます。そんな時でした。白石区から応援要請がありました。札幌市内でも被害の大きかった白石区では、人手が足りず、災害復旧に時間がかかることが見込まれたのです。不幸中の幸いと申しますか、中央区と西区は札幌市内では比較的被害も少なく、通行の妨げになるような倒木の処理はほぼこの日のうちに片付けることができ、次の日から一時的に片付けた倒木の運搬作業に入れるような状況でしたので、この応援要請を受けさせていただき、作業員とトラックを白石区に出動いたしました。そして、次の日を迎えます。
胆振東部地震の発生
深夜3時過ぎでした。私も睡眠中でしたが、強い揺れで目を覚ましました。久しぶりの緊急地震速報のアラーム音に驚きながら、ひとまず揺れが治まるのを待ち、テレビをつけます。そうすると震度6強の速報が(この時点では厚真町の震度は発表されていませんでした。)。南香園は中央区災害防止協力会という会に所属しており、中央区内で震度5弱以上の地震があった場合、自動的に担当道路の被災状況を確認することとなっています。この時点では中央区の震度は不明でしたが、体感的にも5弱以上を感じたため、私もすぐに出動の準備を始めました。そして、ちょうど家を出ようとしたその時、自宅の電気が消え停電となりました。深夜のため車両は少なかったですが、街灯も無く、信号機も消えている中で慎重に運転し現場に向かいます。これも幸いと申しますか、南香園が点検を担当している道路は陥没や建物の被害等もなく、異常なしという状況でした。
台風の復旧作業にも支障が
南香園の社員は全員無事が確認されましたが、札幌市内も区によって大きく被害状況が異なっていたため、出社可能な社員のみの出社と致しました。中央区、西区においては地震の被害はそれほどありませんでしたが、これだけ大きな地震ですから、当然余震も懸念されたため、この日の作業は地震による被害状況の確認のパトロールとしました。しかし、市内全域が停電のため、信号機もついておらず、パトロールも非常に危険と判断し、この日の作業は11時頃に終了とし、次の日以降の電気の復旧を待つことと致しました。翌日には一部で停電も復旧し、信号機もまばらですが付くようになりましたが、今度は燃料問題が発生しました。札幌市民の方は覚えておられるかと思いますが、ガソリンスタンドにも燃料確保のため長蛇の列ができました。私たちの作業は、パトロールにしろ作業にしろ燃料が無いと行えません。そのため、この日も最低限のパトロールで被害状況の確認のみとし、各自の家庭を最優先してもらうこととしました。
インフラを維持する大事な仕事
札幌市内は区によって、台風、地震の被災状況に大きな違いがありましたが、南香園は翌週からはほぼ通常通りに台風の復旧処理を行えるようになりました。自らや家族のことも心配であると思いますが、その中で一生懸命作業してくれた社員や建設業関係者の方には、私個人としては感謝しかありません。そして、建設業者としては、インフラを維持し、こうした緊急時に活躍する仕事を誇りに思います。今週末には台風25号が北海道に接近する予報となっています。私たちもいざという時のために準備しておりますが、これをお読みの皆様も家の外においてあるものをしまうなど、出来る限りの対策をして万が一に備えてください。長文となってしまいましたが、災害時の造園建設業の仕事の一部をご紹介させていただきました。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。